「ととのう」と呼ばれる現象の正体をあなたはご存知だろうか?
「サウナ・冷水・外気浴」この3つのプロセスが覚醒とリラックスを生み出し、自律神経のバランスを調整する。これが俗に言う「ととのう」である。
決して長時間の我慢比べや高温を求めることが「ととのう」を促進するわけではない。上記3つのうち1つでも欠けてはいけないのだ。
本記事では最高に「ととのう」に焦点をおいた最適な入浴法を解説しています。自身で試していただくことでさらに理解が深まり、ととのう感覚がより研ぎ澄まされることでしょう。
最高に「ととのう」サウナの入浴法
基本的にサウナでの過ごし方はこの3つです。
- サウナに入る
- 水風呂に入る
- 外気浴をする
サウナ編
サウナで過ごす最適な時間は、安静時心拍数の2倍が目安と言われています。時間でいうと大体の人は8〜12分ほどだと言われているので、慣れない間は時間を目安にするといいと思います。
安静時心拍数の2倍は、運動時の軽度〜中等度の運動負荷に相当するらしく、循環器系に過剰な負荷を与えない範囲になります。また、最大心拍数(220-年齢で求めることができる)の85%を超えると、心臓や血管、全身に大きな負荷がかかり危険域とされています。このことからガマン比べなど体に良くないことがわかりますね。
サウナに入ると体は高温(70〜100°)にさらされるので、皮膚温度が急上昇します。体は熱を逃がそうと働くので血管が拡張します。血を巡らせるために循環系も働き、心拍数があがります。交感神経が優位になり、体は「軽いストレス状態」に入ります。深部体温が上昇しはじめて汗が分泌されて蒸発によって体温を下げようと働きます。大体8〜12分ほどで心拍数の2倍に到達するころなので退出どきです。
皮膚表面に血流が増加しているため内臓への血流が一時的に減少しているのも特徴です。心拍数がもし2倍に達していない場合は無理をしない範囲で入るのは大丈夫ですが、深部体温もそろそろ38.5°付近に到達するころなので注意は必要です。
深部体温が38.5°を超えると、体温調節が追いつかなくなり、熱中症のリスクがあがります。また最大心拍数の85%に到達する頃合いでもあり、発汗量のピークにも達するので軽度の脱水症状が現れる場合もあるので要注意です。
水風呂編
水風呂で過ごす最適な時間は、30秒〜2分が目安と言われています。呼吸が冷たくなってきた頃を目安にあがるようにしています。
冷水による刺激は短時間でも十分に交感神経が働き、アドレナリンやノルアドレナリンを分泌するので、長時間入るメリットがないといえます。
水風呂に入ると皮膚温度が急低下しますが深部体温は30秒〜2分ほどではそれほど変化しません。ですが冷水の環境に体はされされているので深部体温をあげようとする働きをしています。皮膚表面の抹消血管は収縮し、体の中心部に血流が集中し体温を維持しようと働きます。また狭くなった血管では血液を送る力はそれほど必要がないため心拍数もさがり安静時に近づきます。冷水刺激によって交感神経が活性化されるので覚醒感が生じます。
長時間の水風呂は心臓や血管などの循環系に負担をかける可能性があります。サウナで拡張し、水風呂で収縮した血管はトレーニング効果をもたらしますが、長時間冷水にさらすとなると血液循環が過度に抑制される場合もあるので、適切な時間で切り上げるのが重要です。
外気浴編
外気浴で過ごす最適な時間は、5〜15分が目安と言われています。安静時心拍数に落ち着いたタイミングで再びサウナへGoしますね。また寒い時期では体からの湯気がおさまった時に。
心臓や血管の循環系が元の状態に戻るとともに、交感神経から副交感神経に切り替わりリラックスの状態に入ります。
個人差はありますが外気浴中で「ととのう」と実感できると思います。
心身がリセットされる感覚、深い瞑想状態に近づく感覚。できれば平面に寝転がると、なお効果が高いそうです。