人類の体内時計(概日リズム)は24時間より少し長い

目次

人類の体内時計(概日リズム)は24時間より少し長い

平均で24.2〜24.5時間とされている。

時計遺伝子の働きによる遅れ

有力と言われている理由の1つに、時計遺伝子の働きがあげられる。

時計遺伝子とは体内時計を制御する遺伝子群のことで、主にCLOCK、BMAL1、PER、CRYなどを指す。

それぞれの詳細は割愛するが、これらは体内時計を「動かす」「リセットする」「調整する」などの役割をもっている。
面白いことに、これらの働きの過程で遺伝子の発現サイクルはわずかに遅れ、正確に24時間にならないことが多いそうだ。

他にも「人類進化の適応による長めの設定」「数億年前の地球の1日は長かった」などの説はあるが直接的な証拠が不十分であり、どんな影響をどれほど受けたのかが不明であくまで補助的要因に過ぎない。

朝の光がズレをリセットさせる

ではなぜ人類は1日24時間周期に対応できているのか?
それは朝に日光を浴びるからである。

網膜にある「メラノプシン細胞」が光を検知、視神経を通じて視交叉上核(SCN)へ伝達される。

この刺激を経て「朝だ!」と認識すれば、SCNはメラトニン分泌を抑制(14〜16時間後に再び分泌される)、セロトニン分泌の促進(メラトニンの前駆体)など全身のリズムを整えるために指示を行う。

交感神経も優位となり覚醒モードに入る、というのが体内時計リセットの大まかな流れである。

さらに体内時計リセットには照度(lx:ルクス)は2,500lx以上、ブルーライト(波長:460〜480nm)を含む自然光が必要とされる。

室内光では圧倒的に不足(明るいオフィスでも500lx程度)しているので、朝は積極的に日光を浴びなければならないことがわかる。

目安は晴れた日は10分、曇りの日は1時間、雨の日は1時間以上浴びよう。

後ろ倒しになる行動は避けよう

当然日光による刺激が少ないと体内時計は十分にリセットできないので、その場合たいていは後ろ倒しとなり普段より眠気が遅れたりする。

また日光を浴びる時間帯も遅すぎると夜更かしにつながるので、自分なりの起床・就寝のリズムを一定のパターンで繰り返すことが大切だ。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次